【拡散希望】放射性物質大量拡散をどう生きるのか?

3・11の大震災およびそれとともに発生した福島原子力発電所の事故は文字通り未曽有の危機を引き起こし、またその事故の対応および被曝という長い脅威との闘いが現在も多くの人々を苦しめ、人生を変え、精神と身体に影響を与え続けています。

こうした中、阪大豊中キャンパスでも、何か市民に開かれたセミナーを発信してゆくことはできないか、と考え、その一連の活動の一環として本セミナーを企画いたしました。

■第一部は、理学部原子核物理学の下田正教授に、原子力発電所の発電のシステム、放射線とはなにか、生物や身体にどのような影響があるのか、をわかりやすくお教えいただきます。

下田先生は、大阪大学共通教育で文系の学生に物理学の知識を持ってもらうための講座を行っておられ、学生にも非常に人気の高い先生です。その中でも国の原子力政策は、「原子力安全言語」ともいうべき実態と乖離した特殊な業界言語を使用しているために、放射能や原子力といった言葉が正しく用いられないばかりか、原子力技術に従事する当事者の認識をもゆがめてゆく、、、という重要な指摘をしておられます。学内のニュースレターでこの発言を読んだことがあり、いろいろな人に尋ねてようやく下田先生の発言であったことがわかり、今回のセミナーをお願いすることになりました。

■第二部は、ワークショップで、同じく大阪大学理学研究科化学専攻助教の福本敬夫助教に、ガイガーカウンターのしくみと使い方について、講習していただきます。

3・11以降、各地で放射線測定の必要性を感じ、自衛的に購入する方も増加していますが、一方ガイガーカウンターは何を、どんなしくみで測っているのか、を知る機会は少なく、やみくもに、数値をみて驚いたり、不安になったりするケースも少なからずあります。長年阪大で放射化学の実験の指導を担ってこられ、3.11以降は、阪大豊中キャンパス内の線量の計測ならびに福島の土壌サンプルの計測などを行っておられる福本先生に、ガイガーカウンターは、何を明らかにしてくれるのか、を実際に現場で測りながら指導していただきます。また、手持ちのガイガーカウンターがある方は、較正済のガイガーカウンターと同じ位置で同じ線源を測ることにより、それぞれのガイガーカウンターの示す値がどのくらいの誤差を持つものかを確認していただくこともできます。

また、汚染の激しい郡山市で、ガイガーカウンターが圧倒的に不足しており、市民が、生活の安全を確保できずに不安を募らせておられます。市職員で市民で放射線を測定する活動も続けておられる方からの呼びかけで、ガイガーカウンターを一定期間お借りできないかとの申し出がありました。当日、ガイガーカウンターをお持ちの方で、一定期間貸してもよい、という方がおられたら、責任を持ってお預かりするべくよびかけをさせていただきたいと思います。

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